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主治医と化学療法について話す前に読む本

●日本乳癌学会 編「科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライン[1]薬物療法」(金原出版)¥3,600

乳腺外科の看護師に治療について相談した時に、本書をめくりながら対応してくれた。

臨床的問題(クリニカルクエスチョン;CQ)に対するショートセンテンスの回答と推奨レベル、そして詳しい解説が2ページ程度続くという構成は、医療関係者でなくても読みやすい。

但し、44のCQでこの分野の情報が網羅できているとは思えないので、読み終えたときに「本書には触れられていない情報も追加で勉強したいなぁ」という素朴な感想を抱いた。


●中村清吾 監修/中野絵里子 編著「乳癌薬物療法ポケットブック」(中外医学社)¥1,900

おそらく乳腺外科の初任医師や看護師・薬剤師といったコメディカルを読者として想定した本だろう。

白衣のポケットに収まるサイズなので、わたしのスーツのポケットには収まらないが、コートのポケットには入る。

内容は乳癌薬物療法について広く浅く纏められている。

「浅く」ということは、わたしのような患者の家族にも抵抗感なく読めるということ。

そして、反面、正確な意味が分からないワードが多く出てくるということ。(想定する読者;医療関係者なら当然に知っていると整理したのか、コンパクト化の為に割り切ったのか・・・)

しかし、文脈から勝手に予想(または飛ばして)読む分には問題ないし、読み終えて消化不良な感じは全くしなかった。


●濱口恵子・本山清美 編「がん化学療法ケアガイド」(中山書店)¥2,600

術後化学療法が外来を中心に行われている以上、同居する家族も副作用の予防・早期発見のための勉強をしておこうと思って読んだ本。

患者や患者の家族が知らなくても良い内容(例:抗がん剤の血管外漏出時の対応 等)もあるものの、看護師として為すべき患者教育について多く触れられており、これらは治療を受ける患者の家族が読んでも意義深いと思う。

また、正体不明の副作用に苛まされるよりは、起こりうる副作用、そのメカニズムと対応方法について医学的に理解しておくことも意味があると思う。

但し、起こるかもしれないし、起こらないかもしれない副作用について知ってしまうことになるので、「ネガティブな情報には耳を塞いでおいて、直面して初めて対処したい」というタイプの人には向かないだろう。


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「彼の生きかた」


このブログのタイトルは、わたしの好きな作家の一人である遠藤周作の「彼の生きかた」からきている。

この作品は、野生の日本猿が生息する山での研究に一身を捧げる純朴でひたむきな主人公の生きかたを描いた長編小説である。

腹の黒い狸が多く生息する某企業の本部組織でサラリーマンとして半身を捧げるわたしには、この小説の主人公である“福本一平”のような生きかたはとてもできない。

しかし、わたしは会社に100%どっぷり浸かったザ・サラリーマンではなくポスト団塊ジュニア世代である。

何世代かはともかく、わたしは残りの半身を家庭に置いている。

妻が乳がんを告知された今、健康を取り戻そうと努力する妻を徹底的にサポートすることに半身を捧げようという想いと、健康を取り戻そうと努力する妻を主人公として、わたしの視点から見た彼女の姿を描こうと思ったことから、「彼女の生きかた」というタイトルが生まれた。

唐突にネーミングの経緯を記事にしたのは、久しぶりに遠藤周作の小説「砂の城」を読み返したことがきっかけ。

読書が好きで、ビジネス関連書籍・自己啓発関連書籍・小説(純文学から最近の小説まで)・乳がん治療に関する医学書等、同世代の平均的な水準よりは多く本を読んでいると思うので、時々書評(といったら生意気だが、読書感想文のようなもの)も、このブログにアップしてみようかと思う。


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読書の秋

乳がん患者の夫として何が出来るというわけでもないが、病気に関する知識は得たいと思い、何冊か本を読んだので紹介したい。


●日経ヘルス プルミエ編「『乳がんかも』といわれたら―乳がんの最適治療2010~2011」(日経BP)¥980
タイトルの通り、乳がんの“疑い”の時点で購入すると良い。
検診から治療・再発予防まで、薄く広くカバーした内容で、予備知識が全くなくてもスラスラ読めた。
全国424病院の比較表は有用。「乳がんかも」と言われたら、このリストを使って病院探しができる。


●南雲吉則「乳癌百話」(主婦の友社)¥1,500
乳がんにそのものだけでなく、関連するトピックスが100話、エッセイのように載せられている。
「易しく、深く、楽しく、真面目に」をコンセプトにしているので読みやすいが、文字も大きくてボリューム感に欠けるので、「趣味の読書」として読まれると良いだろう。


●中村清吾「乳がん 正しい治療が分かる本」(法研)¥1,400
家庭向け医学書のような内容。写真、イラスト、図表が豊富に用いられ、読みやすいし情報量も多い。
患者や患者の家族として充分ではないが、最低限の基礎知識を得ることができた。
上記の「乳癌百話」も本書籍も読むべき時期は同じ(告知~治療方針検討のフェーズ)だが、こちらは「趣味の読書」ではなく「お勉強」として読みたい。


●聖路加国際病院ブレストセンター編「乳癌診療ポケットガイド」(医学書院)¥3,780
価格から医学書と想像できるだろうが、おそらく医学書の中では最も易しい部類に入るのではないだろうか。
診断・原発性乳癌の治療・進行再発乳癌の治療・緩和療法と扱う分野は幅広いので、必要なページをピックアップして読んだ。
ポケットガイドの名の通り、字引として傍においておくと非常に便利。個人的には病理診断レポートを読む際の補助資料として非常に役立った。


●伊藤良則・岩瀬拓士 編「乳癌診療こんなときどうするQ&A」(中外医学社)¥8,800
上記の「乳癌診療ポケットガイド」より、もう何歩か踏み込んだ専門的な内容。
乳癌診療に関して医師が抱くクエスチョンに第1線の専門医が答えるという形式は素人にも読みやすい。
懐の痛む価格だが、大型書店の医学書コーナーで立ち読みし始めたら止まらなくなってしまい、購入した。

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